最低限の貯金を作ろう
資産形成の基本は、収入-支出を貯めていくこと、 という話はしました。
簡単ですね。 言うだけなら。
ところで、収入- 支出がプラスであることを前提に話を進めてしまっていますが、
大丈夫ですか?
ちゃんとプラスですよね?
ほぼプラマイゼロです、とか、むしろマイナスですなんて人は、
収入と支出を見直してください。
収入が少ないという人は、 どうすれば収入が上がるのか考えましょう。
そのうちのひとつに、人的資本への投資というものがありますが、 その話はまたいずれ。
支出が過大という人は、とにかく支出に優先順位を付けて、 余計な支出を削ってください。
当然のことですが、この収入- 支出の数字が大きくプラスであればプラスであるほど、
資産形成の速度が速くなります。
経済的自由の獲得が早まります。
あまりにプラスが小さくゆっくりで、 すっかり年寄りになってから経済的自由を獲得しても、
残された自由な時間が少ないのでは意味がありませんからね。
で、そのプラスをまずは貯金するのですが、 そのお金は貯金したハナから資産運用にまわすべきか?
答えはノーです。
「フローとストック ふたつのお金の顔」で書いたとおり、 資産運用にまわすストックとしてのお金は、
消費しないことが前提です。
「おろして使ってはいけないお金」なのです。
そうはいっても、 本当にどうしようもなければおろして使うしかないのですが、
資産運用にまわすということは、一度換金しなければならず、
タイミングなどがむずかしいので、 消費するには勝手が悪いのです。
したがって、サラサラ流れているフローと、 ガッチリ貯めて運用しているストックだけだと、
もし、万一病気で働けなくなったとか、 リストラなんかにあって一時的に収入が途絶えたときに、
フローが枯渇して一気に困窮してしまいます。
折角運用にまわしているストックを最悪のタイミングで換金しなけ ればならないハメに陥るかもしれません。
そこでまずは、上記記事でも言及した、フローの一部、 バッファとしての貯蓄を作りましょう。
何かあったときにすぐに使える貯金です。
何かあったときに生活を守るための資金、という意味です。
これをどれくらい貯めたらいいかは、個人の考え方によります。
3ヶ月分もあれば何とかなる、という強気な人もいれば、 1年分でも足りない、という慎重派の人もいるでしょう。
残り1年分は、都市銀行より利率の高いネット銀行に、 6等分して、
1年自動更新の定期預金に、 2ヶ月ごとに各更新月が来るようにして預けてあります。
これで、 何があってもとりあえず2年間は無収入でも生き延びられます。
2年も猶予があれば、大抵のことは何とかなるでしょう。
資産としてのストックを形成するのは、その後の話です。
ヤサカ